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ドゥロワーの引き出し

2010年の区切りの良い年に独立起業いたしました。20年間携わってきた自転車業界で得た知識をフル活用し、次の自転車業界のための人材を育成しようとたくらんでいる「ドゥロワー」の日々を徒然なるままに綴ります。

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皆さんの前提を整理する その3(最終回)

みなさんこんにちは
ドゥロワーの山路です。

4月も半ばに入ろうとしているにも係わらず、安定しない気候で何を着ていけばいいのか本当に迷います。
とりあえずドゥロワーの制服でも作ろうかなぁ・・・
どなたか良い制服を作ってくださる方がいらっしゃらないかしら?

さて、本日ようやく例の件について、ドゥロワーからの最後のメッセージとしてこのエントリーをお届けします。
一応、このエントリーを持って本件については最後の発信にしたいと思います。



前回までのエントリーでは、モノづくりから購買までという上流から中流のご説明をさせていただきました。
その中には、「ドゥロワーは何言ってんの?」
という否定的なご意見を直接いただく事がありませんでしたので、あくまでもそれを前提(つまり否定もしないし肯定もしないというスタンスも含めて)として、あえて言いますが、最終的に安全を保障できるのは自身自らだけということに尽きると思います。

所詮他人という言い方をすると角が立ちますが、モノづくりをしている方や販売をされている方々が、いくら安全をテーマとして一つ一つの行動を行ったとしても、実際に使用する方次第でそれらの前提は簡単に覆されてしまうという事実。
それぞれの使い方や環境などを一人一人監視することなどできませんし、万一監視されるようなことがあるならば、監視されている方はたまりません。

ましてや「自転車」 という本来持ちえる特性、つまり気楽に使える乗り物に対するそれぞれの概念を統一しようなんてことはおこがましく、あくまでも自転車は自転車なのです。
スポーツの道具と捕らえる方もいれば、移動手段としてのトランスポーターとして捕らえることもある。

究極的に捕らえ方は使用者の自由なわけですが、モノには必ずあらかじめ考えられた作り手側のテーマがあり、そこから外れた場合には、必ず使い手側の責任が発生するという事実だけをちゃんと捉えれば、このような悲しい事故は今後起こらないであろうと思うのです。

では、このように本質的に外してはいけないことが、なぜ外れるようになってしまったのか?
私はどちらかというと業界側のスタンスの方が強いのは言うまでもなく、そのスタンスを再確認した上で誤解を恐れずに言うなれば、それぞれの立場において上流にいる側の怠慢があったと言わざるを得ないと思います。
※少し補足すると、これまでの自転車業界が認識している顧客層であれば問題は起こりにくい環境にあったのですが、新たな顧客層が入ってきてくれた、つまり市場が拡大したという中では、これまでの情報伝達手法や内容では不十分であり、改善が必要だったにも係わらず、それをしなかった、または気がつかなかったということを「怠慢」と表現しました。

自転車の流通はどのようにして行われているかは、前回までのエントリーでお話したとおりですが、メーカーは販売会社の上流、販売会社は小売店の上流、小売店は一般消費者の上流にいます。
それぞれの立場で上流にいる方達が、どれだけ正確に最上流の考えを「伝言」できるかが最も本質的なことであり、それができていないような組織はいくらブランド力があろうともアウトといわざるを得ないと思います。

もちろん、伝えられる側の意識も重要で、よくビジネスソリューションの中でもいわれていますが、「伝えたでは意味がない、伝わったという事実で初めて意味を成す」ということ。
今の自転車業界は急激に市場が拡大しすぎたことによって、「上流側の伝えるスキルと、下流側の理解する前提が不足している」という環境の中で、お互いにこの問題を真摯に受け止め、それぞれの意識を高めていかなければならない状況にあると思います。

大切なことを伝えるためには、できるだけ作り手と使い手が直結していることが理想的で、昔のモノづくりというのはそういう地産地消的な概念からスタートしています。
つまり、何でもそうですが誰かが何かを作り、その周りにいる人間がそれを評価し、購買する。
それが大きくなれば、作り手は利益も出ますし、その利益で新しいモノが生まれるという至極当たり前の流れが基本にあります。
そのような小さなコミュニティーが各地にあって、消費者はそれらいくつかの製品を比べるようになり、またさらに技術が発展するといったものが本来のモノづくりの基本だと思うわけです。
そういった時代には、作り手も買い手もそれぞれ「目が肥えていた」のが普通で、そのような流れの中で、何か問題があったとしても「どちらかが一方的に悪い」という話にはならなかったと思うんです。

それが現在の近代化された流れの中で、一般消費者ニーズの最大公約数的な商品が、「安全・安心」というテーマにおいて規格大量生産された商品全てを、完全に信じきって購入する消費者が増えてしまった、つまり目が肥えていない消費者が増えてしまったのは、前述の伝える努力と知る努力を怠ったことによる必然なのではないかと思います。

食品にしてもそうですし、車にしてもそう。
販売している人が「この商品は安全で安心です」 と言っているからそれを選択する、ということで売買契約が成り立っているのですが、その販売されている方が本当にモノを知っていて、安全・安心であるということがちゃんと理解している方なのかどうか?
そんなことは誰も保障はしてくれないわけです。
もちろん多くの上流側の人間は、消費者をだまそうとしているわけではなく、万一上流と下流で認識の相違があったならば、上流側が下流側にちゃんと伝えて理解してもらうという努力やスキルが不足しているだけだと思うのです。
でも購買はしなければいけないわけですから、消費者はいずれかのジャッジをしなければならない。
でもそのジャッジの責任はやっぱりジャッジした本人にあるのです。

前回のエントリーで、お預かりした自転車を返却して何もチェックしないのは日本人だけというお話をしましたが、私が作業を担当した外国人の選手は、プロ・アマ問わず、必ず作業が終わった自転車を自分で全部見回して、動作チェックしてから一言「Thanks!」といって帰っていきます。
それを待つ間は本当にドキドキものですよ。

うがった見方と思われるかもしれませんが、すでに手を離れたものが、作業者の見えないところで手を加えられたり、間違った使われ方をするなんてこと、普通に起こるわけです。
そんな環境の中で、作業者は全ての責任を負うことなんてできませんよね。
だからこそ作業を真剣に行い、自分のやった事や使用者にしてもらいたくない事を全て伝えるわけです。
当然、受け取る側が「状況を理解していないな」と判断したときには、理解するまで返しません。
日本と外国は違うといわれるかもしれませんが、このように考えておいても損はないはずですし、それがモノを提供する側のプロフェッショナリズムだと思います。

そのぐらいのプロフェッショナリズムを備えた方々が、ご自身の上流に位置するところにどれだけいらっしゃいますか?
自転車業界の場合、私を含めて上流側にいる人間はもっと伝える必要がありますし、そのスキルを磨く必要があります。
「今のままでよい、オレの味がわかってたまるか!」というような頑固一徹の食堂みたいな考え方は捨てなければなりませんし、そもそもモノを供給する責任はもっと高いレベルで自覚をしなければなりません。

一方で、一般消費者側もいくら大金を支払ったとしても、伝わらなければいけないことが伝わっていない、あるいは理解できていない場合、「知らなかった」という主張をして上流側を批判することは一向に構わないのですが、取り返しのつかないことが実際に直接降りかかってくるのは、他でもないご自身であることを忘れてはいけません。
あなたがいくら上流にいる人たちを「信じた」としても、信用に足らない方々はたくさんいらっしゃいますし、それでもモノは流通されているという事実。
その中で双方のリスクを最小限にするには、上流側と下流側のそれぞれの努力しかないのだと思います。

他の業界では、最近大きなムーブメントとなっている「ファーマーズマーケット」 なんてその最たるものではないでしょうか?
地産池消的に生産者が直接消費者に説明しモノを売り、それを理解した方が購買する。
究極的にはそのような作り手と買い手が直結したシンプルな売買契約というものが、リスクを減らす一つの方法だと思いますが、規格大量生産という手法について、消費者側はものすごい恩恵を受けられるという紛れもない事実もありますので、現在のモノ作りを全否定することはできません。

私も良いものが安く購入できるという当たり前の環境から抜け出したくはありませんので・・・

私がドゥロワーという会社を設立したのは、これまでご説明した内容を踏まえ、作り手や売り手、また買い手といったそれぞれの立場の方々が、その流れと事実を知る機会を創造し、また不足しているものについては学ぶという機会を提供することで、全員がハッピーになれると信じたからです。

会社名の「ドゥロワー」とは、英語で引き出しを意味しますが、いろいろな方々の引き出しを作り、夢の実現をお手伝いするという意味が込められています。
それぞれの立場での引き出し、つまりナレッジを深めていくことで、皆さんの生活がより豊かになれば、それ以上の幸せはありません。

特に私は自転車が好きですし、それに関わっていらっしゃる方々が大好きですので、もうこれ以上このような悲しい事故が起こってほしくありません。
そんな思いで書いていたら、つい長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただけましたことお礼申し上げます。

ヒトの学びには、もうこれで良いということは絶対にありません。
学び続けるということがヒトの本質であり、それを愚直に続けることで幸せをつかむことができるのだと思います。

今後は、当ブログでもいろいろなことを発信し続けていきますが、リアルの場でも皆さんの学びの一助となるような活動を行っていきたいと思います。
近々その第一弾を発表することになると思いますので、ご興味ある方はぜひ!!!!!


では、次の引き出しをお楽しみに。
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